こんにちは!「詐欺業者の書き置き」運営者の元広告マン・関根です。
ここ最近、「株式会社英(旧メイル)が紹介している『ラクマーチ』って副業、大丈夫ですか?」というご相談が続けて届いています。
話を聞くと、流れはだいたい同じです。
- 「副業 かんたん」で検索して見つけたランキングサイトに「総合1位」として載っていた「ラクマーチ」が気になってLINE登録
- 届いたアンケートに答えると折り返しの電話がかかってきて、「完全後払い0円だから」と言われていたはずが
- 気づけば十万円台〜数百万円規模の「サポート費用」の話をされていた
というものです。
正直に言うと、この案内ページを見た瞬間、元広告マンとしてかなり嫌な感覚がありました。
先に結論をお伝えすると、「完全後払い0円」は「0円」ではなく「支払いを後回しにしているだけ」です。
そして、仕事内容の説明を一切しないまま登録だけを急がせる作り方は、広告の現場では「中身を見せたら離脱される案件」に典型的な設計です。
契約してしまった後でも、状況によっては返金や解約を主張できる可能性はあります。焦って諦める前に、まずは何が起きているかを一緒に整理していきましょう。
関根綾広告を審査する側にいた人間から見ると、「仕事内容は登録後に説明します」という組み立て自体が、もう一つのシグナルなんですよね。今回は、株式会社英(旧メイル)「ラクマーチ」の広告の作り方と、すでに支払ってしまった場合にできることを、一緒に見ていきます。
広告のプロが見た「ラクマーチ」の第一印象
まずプロの目線で、「ラクマーチ」の案内ページやLINEで届く情報を眺めてみました。
正直、最初の数分で「あ、これ知ってる作り方だ」と思いました。



広告審査をしていた頃、こういうページを何百本も見てきました。褒めている言葉の量に対して、説明している事実の量が異常に少ないんです。
ベネフィットの言葉だけが並び、仕事内容の説明が一切ない
「自由な時間」「自由な場所」「誰でもできる」「高収入」並んでいるのは、こういう聞こえのいい言葉ばかりです。
一方で、「具体的に何をする仕事なのか」「どうやって収益が発生する仕組みなのか」という、広告表現としていちばん大事な部分がすっぽり抜け落ちています。
「注目を集めている」「高い支持を得ている」という表現も見かけますが、それを裏付ける具体的な実績データは見当たりません。



広告の基本は「誰が、どうやって、なぜその結果になるのか」を示すことです。それを見せずに褒め言葉だけを並べるのは、中身を見せると離脱されてしまう案件によくある作り方なんですよね。
「完全後払い0円」という表現のトリック
「完全後払い0円」という文言も、広告マンとして引っかかったポイントです。
これは「0円で利用できる」という意味ではありません。正確には「支払いのタイミングを後ろにずらしているだけ」で、最終的には支払いが発生する仕組みです。
「0円」という言葉だけが強調されて目に入ると、金銭的なハードルがないように錯覚してしまいますが、実際には後から高額な請求が来る前提で設計されています。



「無料」「0円」は、広告の世界でもっとも警戒心を解除させる言葉です。だからこそ、その言葉が何を意味しているのか、一歩立ち止まって確認してほしいところです。
登録しないと仕組みを見せない設計そのものが危険信号
ページ上の情報だけでは、結局「ラクマーチ」がどんな副業なのか最後までわかりません。
フォームに登録し、LINEに登録して、初めて詳細が案内される——という設計になっています。
登録前と登録後で情報量に差をつける作り方自体は、珍しいものではありません。
ただ、その差があまりに大きく、しかも登録の時点で支払い方法の選択まで求められるとなると、「まず情報を集めてもらう」というより「まず入り口をくぐらせる」ことを優先した設計だと感じます。
ここまでの違和感だけでも、慎重になったほうがいい理由としては十分だと思います。
次の章では、実際にLINE登録した後、どういう流れで高額な話に変わっていくのかを、ステップごとに見ていきます。
LINE登録から高額請求までの流れを、広告の仕組みとして分解する
ここからは、実際に寄せられた相談をもとに、「ラクマーチ」でどのような流れをたどるのか、STEP形式で見ていきます。
「副業 かんたん」等で検索すると表示される副業比較・ランキングサイトに、「総合1位」等の高評価で「ラクマーチ」が紹介されています。気になってクリックすると、まずは公式LINEアカウントへの登録画面に案内されます。



ランキング形式のサイトそのものが悪いわけではありません。ただ、「なぜ1位なのか」の根拠が書かれていないランキングは、広告の世界では単なる「見せ方」の一つに過ぎないと思っておいたほうがいいです。
LINE登録が完了すると、年齢や現在の収入、稼ぎたい金額などを尋ねる簡単なアンケートが届きます。ここまでは、他の副業案内サイトともあまり変わらない、よくある流れです。
アンケートに回答すると、担当者を名乗る人物から電話がかかってきます。この時点ではまだ「完全後払い0円」「安心して大丈夫」という説明が続きます。
ページの中で完結せず、電話という一対一の密室に持ち込む設計は、広告の外側で高額な話をするための典型的な導線です。チャットやページ上に金額を書いてしまうと、比較・検討されて離脱されてしまいますから。
電話の中で、「本当に稼げるようになるには」という理由で、サポート費用の支払いを提案されます。インターネット上に寄せられた情報によれば、金額は15万円〜300万円前後と、支払える金額によって提示されるプランが変わる仕組みになっているようです。
あわせて、「良い枠はすぐに埋まってしまうので、急いで判断したほうがいい」というように、その場での即決を促す言葉をかけられたという声も見られます。



「今すぐ決めないと」という言葉が出てきたら、一度電話を切って大丈夫です。まっとうなサービスであれば、一晩考える時間を与えられなかったことなど、後から問題になりません。
ここまでの流れを見ると、「無料」から始まった話が、たった1本の電話で数十万〜数百万円の話に変わっていることがわかります。次の章では、なぜこの会社が短期間で名前を変え続けているのか、広告を作る側の視点から見ていきます。


関根綾
元広告代理店 / 副業広告リサーチャー
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なぜ、こんなに短期間で社名を変えているのか|広告を審査していた側からの視点
ここで一度、特定商取引法に基づく表記を確認しておきます。
| 販売事業者 | 株式会社英(旧:株式会社メイル、旧:株式会社Bold) |
| 運営責任者 | 君嶋隆寿 |
| 所在地 | 〒115-0045 東京都北区赤羽1-7-9 赤羽第一葉山ビル4F |
| 電話番号 | 050-8896-2508 |
| メールアドレス | [email protected] |
この表を見ていて、元広告マンとして真っ先に引っかかったのは社名です。
令和6年10月に「株式会社Bold」として設立されたあと、令和7年11月に「株式会社メイル」、令和8年4月には「株式会社英」へと、2年足らずのうちに商号を2回変えています。





広告代理店にいた頃、出稿してくる企業の「設立からの経過」や「社名変更の履歴」は、審査で必ず見る項目でした。理由は単純で、まっとうな企業が短期間で名前を変えるケースは、ブランドリニューアルなどよほどの事情がない限り、ほとんど見たことがないからです。
もちろん、社名変更そのものが違法というわけではありません。
経営方針の見直しでそうする企業も実際にあります。
ただ、副業・情報商材まわりの案件を追っていると、「消費者とのやり取りが表面化し始めたタイミングで社名を変え、実質的には同じ事業を続けている」というケースを何度も見てきました。
なぜ「書類は揃っている」のに危険なのか
特商法の表記そのものには、会社名・責任者・住所・電話番号・メールアドレスと、必要な項目は一通り記載されています。形式的には、特商法上の不備は見当たりません。



これが一番厄介なところなんです。私が現役の頃、実際に通してしまった広告も、書類は全部揃っていました。特商法の表記も、登記も、根拠資料らしきものも。「書類が揃っている」ことと、「中身がまともである」ことは、まったく別の話なんですよね。
書類の形式が整っていることは、あくまでスタートラインに過ぎません。
広告の作り手側は、書類さえ整えれば「特商法違反ではない」という状態を作れることを知った上で、その先の勧誘トークで無理を通してくる、という構造があることは、知っておいて損はないと思います。
表向きの窓口として出てくる担当者や電話口の人物が、実際の意思決定者と同じ人とは限りません。
名義だけを貸す人、使い捨ての連絡先を用意する人など、実態を見えにくくする裏方が関わっているケースも、この業界では珍しくないんです。
次の章では、こうした案件で実際によく報告されている被害のパターンを、いくつか整理してご紹介します。
よくある被害報告のパターン
正直にお伝えすると、「ラクマーチ」や「株式会社英(旧メイル)」について、Yahoo!知恵袋や国民生活センターの公表情報のような、確定的な一次情報はまだ見つけられていません。
そのため、この会社について「こういう被害があった」と個別の事例を断定的に語ることは、今の時点ではできません。
ただ、「完全後払い0円」を掲げて登録を促し、電話面談で高額な費用を提示するこの手の副業案件では、共通して報告されるパターンがあります。
- 「完全後払い0円」「安心して大丈夫」という説明を信じて登録したが、電話面談で数十万円〜数百万円規模のサポート費用を提案された
- 「今の収入では厳しいなら、消費者金融やカードローンからの借入も検討してほしい」と、借金をしてでも支払うよう促された
- 契約内容やクーリングオフ制度についての説明がないまま、口頭やLINEでのやり取りだけで契約(送金)が進んでしまった
- 費用を支払った後、当初説明されていたサポートが実施されない、または担当者と連絡が取りづらくなった
- 仕事内容そのものは登録前も登録後もあいまいなままで、結局「何をする副業なのか」が最後まで明確にならなかった



広告の作り方から見ても、「登録後に初めて詳細がわかる」という設計自体が、こうした被害パターンを生みやすい土壌になっていると感じます。もし今読んでいて「これ、自分と同じかも」と思う項目があったとしても、それは決して珍しいケースではありません。
次の章では、すでに支払ってしまった場合に、実際にどういった対応ができるのかを整理していきます。
もし、すでに関わってしまっていたら
「もう払ってしまったし、今さらどうにもならないんじゃないか」
ここまで読んで、そう感じている方もいるかもしれません。でも、まだ早いと思います。
まず、追加の支払いはストップしてください
「もう少し払えば本格的に稼げるようになる」「上位プランに切り替えれば取り戻せる」といった言葉は、一度支払った分を惜しむ心理につけ込む、よくある常套句です。



広告の作り手が一番嫌がるのは、ユーザーが「一度立ち止まって、誰かに相談すること」です。これ以上は、1円も追加で払わないでください。
やり取りの記録は、すべて残しておく
- LINEのトーク履歴
- 案内ページのスクリーンショット
- 電話で言われた内容のメモ
- 振込明細やクレジットカードの利用明細
これらは、後から状況を整理し、返金や解約を主張する際の重要な材料になります。
法的に主張できる可能性があること
副業の勧誘が「業務提供誘引販売取引」に該当する場合、特定商取引法58条1項に基づき、契約書面を受け取ってから20日間はクーリングオフによる無条件解除ができる可能性があります。
書面自体を受け取っていない場合、そもそも期間がまだ始まっていないケースもあります。
また、「絶対に稼げる」といった根拠のない将来の利益を断定的に伝えられていた場合は「断定的判断の提供」、「今決めないと後がない」と急かされていた場合は「困惑類型」として、消費者契約法に基づく契約の取消を主張できる可能性があります。「返金不可」と契約書に書かれていても、それが取消権・解除権を不当に制限する内容であれば、条項自体が無効と判断される余地もあります。
支払い方法によって、取れる手段も変わります
- クレジットカードで支払った場合
-
カード会社へのチャージバック申請、決済代行業者への異議申し立てを並行して検討できます
- 銀行振込で支払った場合
-
チャージバックの制度は使えませんが、振込先口座の凍結申請(振り込め詐欺救済法に基づく分配制度)や、内容証明郵便での解除通知といった対応が考えられます



私は弁護士でも司法書士でもないので、あなたのケースがどの主張に当てはまるかを断定することはできません。ただ、「規約に書いてあるから」で諦める必要はない、ということだけは伝えておきたいです。
一人で抱え込まずに、まずは弁護士や司法書士に今の状況を整理してもらうことをおすすめします。
【まとめ】広告の“見せ方”に惑わされないために
ここまで、元広告マンの視点から「ラクマーチ」の広告設計や、株式会社英(旧メイル)という運営元の実態について見てきました。
最後に、記事の要点を整理しておきます。
- 「自由な時間」「高収入」等のベネフィットのみを強調し、仕事内容の説明を意図的に伏せた設計
- 「完全後払い0円」は無料を意味せず、支払いを後ろにずらしているだけの表現 LINE→電話という、比較・検討させない密室への誘導導線
- インターネット上の情報によれば、電話面談で15万〜300万円規模のサポート費用を提示される事例がある(要一次情報確認)
- 令和6年10月の設立から2年足らずで2回の商号変更(Bold→メイル→英)



書類の形式が整っていることと、中身がまともであることは別物です。私自身、それを見誤って広告を通してしまった経験があるからこそ、そう言い切れます。
「完全後払い0円」という言葉を信じて登録してしまったこと、電話口で急かされて契約してしまったことは、あなたの判断力が足りなかったからではありません。
情報を小出しにし、電話という密室に持ち込むところまで、最初から計算して設計された導線に乗ってしまっただけです。
一方で、LINEのトーク履歴や振込明細は、時間が経つほど確認しづらくなります。
業者側の対応(連絡が取れなくなる、社名がまた変わる等)が進むほど、取れる選択肢も狭まっていきます。
「もう少し様子を見よう」より先に、今のタイミングで記録を整理し、弁護士や司法書士に一度話を聞いてもらうことをおすすめします。
私は弁護士でも司法書士でもないので、あなたの契約が違法にあたるかどうかを断定することはできません。
私にできるのは、広告の作り手側の目線から「ここは危ない」と伝えることと、寄せられた情報を記録して、必要な窓口につなぐことだけです。
それでも、誰かに今の状況を話すことから、次の一歩が見えてくることは多いと思っています。



一人で抱え込まないでください。私でも、司法書士の先生でも構いません。まずは、今日感じた違和感を、誰かに話してみてくださいね。


関根綾
元広告代理店 / 副業広告リサーチャー
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